薔薇の花束

8/8
前へ
/20ページ
次へ
「私はあなたにふさわしい…かぁ」 花瓶に溢れんばかりの薔薇を見ながら言う。 「んふふっ…晶驚くだろうなぁ。また、僕に惚れ直しちゃったりして!」 ニヤニヤが止まらない。 と、そこに玄関から物音がした。 来たー!とばかりにワクワク感が絶頂に達した。 「ただいまー」 「おかえりなさー!…い…」 その光景に唖然とした。 「あれ…?」 晶の手には真っ赤な薔薇の花束があった。 「あんれえ!?マジで?…和真驚かせたかったんだけどなぁ」 もしかしたら、と和真が言う。 「近所に出来た、あの花屋で買った?」 「あ、うん。店員が良い人でさ、恋人いるんだっつったら薔薇の花勧めてくれてさ」 「花言葉、気に入っちゃってね」 『私はあなたを愛する』
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加