新年

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永倉は部屋に入るなり、突然土方の筆を勝手に拝借して、広げてある紙の松原を永倉に、武田を沖田に書き換える。 「あっ、おい、何すんだよ!! おめぇらは見回りだろうがッ!!」 鬼は隊務のサボリを許すほど甘くない。 「さっき(無理矢理)替わって貰ったんです。 松原さんと武田さんに。 お2人とも寒いのは嫌いらしいので喜んでましたよ、たぶん。」 ニヤッと悪戯っ子の様に笑う。 「なにを勝手な…」 「まぁ………歳、良いじゃないか。 彼らがお互い納得しているなら。 なぁ、総司。納得したんだろ??」 「勿論ですよ、近藤さん。」 やはり近藤も沖田には甘い。 「はぁ……もう勝手にしろ。」 土方も苦労が絶えない。 雪は彼らの会話を聞きながら、初めて武田と松原に会った日の事を思い出した。
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