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時は戻って、雪合戦会議。
ーー武田さんはともかく、松原さんは総司君に詰めよられたんだろうな。
松原さん優しそうだもんなぁ。
と密かに心の中で思っていると………
「雪!
ほら、外に行くよ。」
いきなり沖田に雪、と呼ばれて、ドキッとする。
『………う、うん!!』
周りを見てみると………
雪が色々考えているうちに話し合いも終わったのか、皆外へに出るために一旦自室に引きあげて始めていた。
「市村、これを着とけ。」
そう言って土方は羽織を投げる。
『う、わっ!!』
突然投げられたため、受け取り損ねた雪は、頭の上に羽織が落ちてきて目の前が真っ暗だ。
「外は寒いからな。
総司も上に何か着ていけよ。そのまんまだと本当に風邪ひくぞ。」
土方は箪笥の中を見ながら言った。
「………なんだか、母親みたい。」
クスクスと楽しそうに笑いながら言う沖田。
地獄耳には全て聴こえている。
「あ゛ぁっ??
ったく、ヒトが心配してやってんのに。
もういい。てめぇは風邪でも引いとけ。」
自分の分の羽織を箪笥から取り出した土方は、さっさと外へ行ってしまった。
「まったく、昔から土方さんも素直じゃないんだからね。」
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