始まりは唐突に

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(ああーっ!!もう変なことを考えるのは辞めよう!!) 頭をブンブンと左右に振り、自分の気持ちを無理にポジティブに持って行こうとする。 頭痛の余韻が、再びぶり返した。 「いってぇ……っ」 悠斗は、不機嫌な顔つきになった。 もっとも、今のは悠斗の不注意だが。 「……もう帰ろう。嫌なことは風呂でサッパリ流そう」 地面に落とした缶を恨めしげに見た後、スマートフォンを強引にポケットに押し込み、悠斗は早足で帰路についた。 瞳の色が、微かに朱に染まっていたのに気づかずに。     ―――― ――― ―― ―
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