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鬱蒼としたジャングルの中を狩神昂(カリガミ スバル)は駆けていた。
敵はどこかにいる。それは確定している。
(どこに居るんだ。気配すら感じねぇし)
密林を走る昴は獣のようだった。
もっとも、その獣が虎であるのか兎であるのかは定かではない。
昴も敵も、『追うもの』にもなり『追われるもの』にもなる、非常に不安定な関係である。
いつ敵に遭遇するか分からない緊迫した状況で、足場も安定していない道なき道を全力疾走していたせいか、昴の疲労が溜まりだした。
(どっかで休憩しないと、バトル展開になったときに死ねる。というか死ぬ)
昴は徐々に走るスピードを落としていき、体力を保とうとした。
その瞬間、守の視界からジャングルが消えた。
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