出会いは奇跡?

2/11
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
俺がまだ初々しい小学生だった頃、【ソイツ】は現れた。 あれは確か小学6年生の夏休み。俺は塾の合宿に行くために車で向かっていた。 塾の合宿といっても別に勉強する訳ではなく、ただただ遊ぶだけだ。 合宿場所である公民館は、山道をずっと上がった所にある。行けば見渡す限り、山、山、山だ。 「ああー!!しまったバスタオル忘れた!」 俺は忘れ物が多い。ゆえに、その頃付いたアダ名は『ボケ老人』ネーミングセンスは称賛に値する。 「はあ?あんたバカ!?もう知らないわよ!ま、風呂に入らないか、自然乾燥にするか、どちらか選ぶのね。ほんとバカ。」 『本当にウチの子かしら?』そう言って溜め息をもらした これが俺の母親――――だと思う。認めたくはないが。精神的なダメージを、絶えず俺に与えてくる。 そうして車は公民館の駐車場に到着。 「ウフッ。今日はハンバーグなのに、残念ね。」 そう言い残して、母親は去っていった。普段は絶対にそんなの作らないのに。・・・・・・・・・・嫌がらせだ。 そして合宿場所である公民館に歩いていくと【ソイツ】は突然俺の後ろから大声で話しかけてきた。 「ようバルタン星人。」
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!