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娘の部屋は小さなワンルームだった。俺は部屋の隅のほうに座り、キョロキョロしばらくくつろいでいた。 その時、電話が鳴った。娘が出て何かを話している。 「えっ?本当?……うん。…うん。わかった…」 しばらく話して電話を切った。娘の顔色が明らかにさっきまでと違う。慌てた様子で、何やら準備している。何だか俺は不安になった。 娘が俺を見た…。その手には包丁が握られている。どういうことだ!?今さっきまでニコニコ一緒にテレビを見ていたじゃないか! 包丁を握りしめた娘が俺にゆっくり近づいて来る。 そして、娘は俺に切りかかった。俺はわけがわからず、抵抗出来なかった。 娘は涙を流していた。溢れる涙をこらえながら、俺を何度も切りつけた。 ………なぜなんだ…。
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