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「いえ、そういう訳にはいかないので・・・。  とにかく乗ってください!!」 「う、う~ん・・・。  それじゃぁお言葉に甘えさせてもらいます」 そうして男の人は助手席のドアを開けてくれた。 男の人に車のドアを開けてもらうなんて初めてで、怪我をいているからとはいえ、なんだかドキドキしてしまった。 続いて運転席に乗り込んだ男の人。 ふと見ると誰かに電話を掛けていた。 「あ、辻さん?  俺だけど。  実は今ちょっと車で事故っちゃって、相手の人を病院に連れて行きたいんだけど、どこの病院行っていい?」 男の人はしばらく電話を続け、分かった、と言ってから電話を切った。
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