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「…確かにそうですね。」
まぁ…普通に生きるなら特に何も必要ないか。
生まれ変わっても、ただ前世の記憶があるだけの普通の人なんだから。
突然、神様がポンと手を叩く。
「あ! 一つ忘れてました!」
「なんですか?」
「あたしが、あなた付きの神様だって言うのは覚えてますよね?」
「それはもちろん。」
そもそも、生き返らないといけない理由がそれなのだから。
神様はニヤリと笑って胸をはる。
「じ つ は! あっちの世界だとあたしの加護が付いちゃうんですよ!!」
なにせ愛情の神様ですからね、とまたまた神様は主張する。
…それ本当に気に入ったのね。
「……加護があるのはわかりましたけど、それは何か意味があるんですか?」
「よくぞ聞いてくれましたっ! あたしの加護を受けるとーっ、髪が傷まなくなります!」
「…へぇ。」
すごく、どうでもいい。
「あー! 微妙だって思いましたね?思ったでしょっ?
他にもありますよ!
身体が清潔に保たれますしー、髪が伸びるのが他の人より早いです!」
「……へぇ。」
「あっあと、余分な毛が生えないとか…。」
…なにそれ生々しい。
あ、だから髪が伸びるのが早いのかな?
「ま、まだまだーっ!肌が全然荒れない、ニキビも何にもなしっ! もうすっごいモチモチ! どんな怪我しても治れば跡も消えるんですよっ! しかも、しかもですよ、太ったり痩せすぎたりしないんです! もう完璧なルックス! きゃー!」
「…そうなんですか。」
なんだかこう、微妙。
私がずっと興味なさ気に(…いや実際ないけれど)していると、神様はションボリと体育座りをし始めてしまった。
「うー……あなた女の子ですし、喜んでもらえるかなって…ちょっと希望持った私が馬鹿でした。どうせしょっぱい加護ですよ…ふふっ。仕方ないじゃないですか。力が強くなったりなんかないですよ…。」
なにせ愛情の神様ですからね、と悲しげにつぶやく。
……なんだかちょっと申し訳ない。
でも私は見た目を気にするようなタイプじゃないし、気にする余裕もなかったし…。
「いや…なんていうか、素敵な加護……ですね…?」
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