13423人が本棚に入れています
本棚に追加
くねくねする神様と直立する私。
…微妙な沈黙。
「……すみません。私のせいでこうなったのはわかりますが、そろそろ生まれ変わりたいのですが…。」
というより、この場から逃げたい。
「あ、はい! 了解しましたよっ!」
そういって神様は私に掌を向ける。
「本当にもう何もありませんねっ? 転生しちゃったら後戻り出来ませんからね?」
「はい、たぶん。」
「なにたぶんって! あたしそういうの気になっちゃうタイプなんですよっ!」
「……すみません、もう何もないです。」
よし、と神様はわざとらしく大きく頷く。
「ん、じゃあオッケーですねっ!」
「お願いします。」
私がそういうと神様は苦笑いして言う。
「もう! 最後まで無表情ですねっ!」
神様の手から光が溢れる。
…なんだか神様っぽい。
私がまたどうでもいいことを考えていると、神様が話しかけて来る。
「これで本当にお別れですね…。あたし、こんなに長く人とお話したの初めてで少し寂しいです…。」
「……私は、こんなに話したのがそもそも初めてですよ。」
そういうと神様は少し悲しそうに笑う。
「ん、じゃあ今度は楽しんで来てくださいね?
じゃあね、愛美ちゃん!」
「…はい。
さようなら、愛美ちゃん。」
そう言った直後、私は気を失った。
「なんだ…愛美ちゃん、ちゃんと笑えるじゃないですか。」
神様は一人ポツンと呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!