耳と尻尾と牙と角、それは奴隷。

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私が返事をしたのを聞いてレイさんはまた話しはじめる。 「つっても本当に、珍しいんだわ。そもそも、獣人が働くのはほとんどが戦闘系でなぁ…。まぁ元の身体能力が高いから仕方ないことなんだが。 主にギルド…あ、ギルドつーのはなんだ、困ってる人達が適当に依頼とか持ち込むところ…かぁ?まぁ、ギルドで働いてる奴やら冒険家してる奴に買われるのが普通だな。鉱山みたいなとこで働くのはけっこう稀っつーわけだ。」 「……? なぜ、鉱山、獣人、二人、働く、です?」 「なんでも最初は、調査と鉱山の入口をつくるためだけに送られたんだが、そのまま二人だけで雇う予定だった30人分の仕事をしてるんだと。いや、もうありえねぇよな、普通…。」 私の中で、獣人二人がムキムキになりました。 体育会系の人は苦手なのに…。 …なんて、どんな人でも苦手だけれど。 「他にもいろいろ説明すべきことがあるんだろうが、俺は頭がわりぃんでな。そんなに詳しいとこまで覚えてねぇんだわ…。まぁあっちで二人に色々聞くんだな。あっちも一人は俺と同じで頭がわりぃがもう一人はすこぶる頭がいい。」 「…了解、です。」 ムキムキで頭がいい…? どうしよう、不安だ。 そんな知り合いは私にいたことがない、ただ私の知り合いが少ないだけかもしれないけど。 …訂正、私の知り合いは身内を除けば神様とレイさんだけ。 「さて、そろそろガキは寝る時間だろ?」 レイさんは暗くなった空を指差した。 もうそんな時間か…。 「…はい、私、寝る、です。」 「寝ろ寝ろ。」 レイさんは私を御者台から荷台に下ろしてくれた、お姫様抱っこで。 …いや、両手足縛られてるから仕方ないというか、髪の毛が邪魔で持ちにくいから仕方ないというか。 別に私は子供なんだからいいというか…。 「早く寝ろよぉ?」 そういって、レイさんは御者台に戻った。 「おやすみなさい。」 ん、早く寝よう。 …今日は昨日より寒いなぁ。 何となくそう思った。 あ。 「…レイ、さん?」 「なんだぁ? 眠れないのか?」 そういってレイさんが振り返る。
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