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目を開けるとそこは真っ白な世界でした。
ここはどこでしょう…?
天国…?
立ち上がって周りを見てみると正方形の個室のようになっているらしいことがわかる。
個室とは言っても机も椅子も扉さえもない真っさらな空間だけれど。
「起きましたね。今どういう状況かわかりますか?」
突然、真後ろから話し掛けられた。
ゆっくりと振り返って見てみると、二十歳くらいだろう綺麗な女性が立っていた。
「んー? もう少しびっくりしましょうよーっ! せっかく驚かせようと思ったのに…。」
床まで届く白い長髪にワンピースのような白い服、そして人ではないのではないかと思うほどに病的に白い肌、人懐っこそうなクリッとした目だけが金色をしていた。
その女性は怒っているのか、頬っぺたを膨らませながら言った。
「ねーねー、聞いてますー? あたしのお話聞いてますー?」
「あ…すみません。突然過ぎて気が動転してしまって…。どう反応するべきか、わからなかったので。」
「もーっ! 気が動転したなんて嘘! そんな無表情で言われても説得力皆無!」
私がどうにかこうにか返事をすると、女性はまだ怒ったような口調だが、反応されたのが嬉しかったのか口元がすこし笑っている。
…ちょっと可愛い。
「まぁ…もういいです! そんなこと話しにきたわけじゃないですしねっ。はい、じゃあ突然ですが、あなたはついさっき死にました。」
「あぁ…やっぱり私死んだんですね。」
「うすっ! 本当に反応が薄すぎるよ、あなた!」
「それは、すみません…?」
「わかってたけど…わかってたけどさっ。つまんなーいっ! うがががぁー!」
女性は奇声をあげながら、ぐるぐると回りはじめてしまった…。
…実際、私はすごく驚いているし混乱しているのだけど。
ただ、表情に出にくいだけなんです…。
ふと、気になったことを質問してみる。
「あの…わかってた、というのはどういう意味ですか? 私の記憶が間違ってなければ、初めましてですよね?」
というより死んでからも会える知り合いがいるはずないし。
「おっと、よくぞ聞いてくれました! あたし、あなた付きの神様なんですよ!」
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