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…意味がわからない。
突然色々言われても頭が追いつかない。
ただ、わかりたくないだけかもしれないけれど。
「…すみません、もう少しわかりやすく教えてくれませんか?」
仕方ないなぁ、とでも言うように神様(?)はニヤニヤした後、私に向かってビシッと指を三本立てて見せた。
「じゃあわかりやすく三つにまとめてあげます!
そのいちー! あたしは愛情の神様です。
そのにっ! あたしはほとんど役に立ちません。
そのさん! あなたは異世界で生き返ります。」
「…つまり、私はもう一回生き返るんですね?」
「はいっ! おわかりいただけましたねっ。」
そういって神様(?)はニコニコしている。
…面倒なことになったなぁ。
正直、私は生き返りたくない。生き返っても良いことがあるなんて思えないし、また同じようなことになるかもしれない。
このニコニコ顔を崩したくないけれど、断ろう…。
「あの、生き返るのはお断り「できませんよっ?」
「…………。」
神様(?)は依然としてニコニコしている。
…実は私、馬鹿にされてるのだろうか?
「…なんでですか?」
「それはですね、大神様が決めたことだからですよっ! 下っ端の私にはどうしようもできません。」
もう神様(?)は満面の笑みだ、もうニコニコなんて比じゃない。
…あぁただこの子はアホの子なだけなんだ。
いや、そんなことはどうでもいい。とりあえずどうでもいいから。
今はとにかく、自分のこと。
「…そうなんですか。じゃあせめて記憶は消してもらえますか?」
神様(?)とお話なんて微妙な経験なんて覚えていたくない。
それに生きていた時のことを忘れておきたいし。
「あ…ごめんなさい。それは無理です。記憶を消すには、魂が全くの別物としてしまうしか方法がないんです…。だからあなたから愛情の記憶を貰うために、あなたの記憶は消せないんです。出来れば消してあげたいんですが…。」
ごめんなさい、ともう一回そう言って神様(?)はさっきまでの笑顔が嘘のように、ションボリとした表情で頭を下げる。
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