入学

4/6
前へ
/8ページ
次へ
そう言って生徒は蓮を見つめた。 「お前、名前は?」 「……七瀬季緒」 「季緒…。俺、真宮蓮、理科教師ね」 「ふーん。てか、ここで吸っていいの」 「は?」 「タバコ、もうついてるし」 「あー」 蓮の手には、すでに火のつけられたタバコがあった。 「あんた、教師のくせに抜けてんだね」 そう言って、季緒はくすりと笑った。 「失礼なやつだねー。俺、別に抜けてねーから」 「さっき中で吸おうとしてたじゃん」 そう言うと、季緒は火のついたタバコを蓮の手から奪った。 「あ、吸うなよ」 「俺タバコ嫌い」 季緒はそのままタバコを捨て踏みつけた。 「こんなんの何がおいしいのかわかんない。体に悪いらしいし、大嫌いだ」 そう言うと、そのまま体育館に戻って行った。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加