10人が本棚に入れています
本棚に追加
ロワイヤル開会式
そして、死後七日目。
開会式はここヘブンズゲート前で行われる。
男女合わせて13名…
皆が屈強の戦士と言うわけではなく、殆どの参加者が一般の人達と思われる。
その中にはもちろんのこと明と冬子の姿もあった。
まず始めに閻魔の挨拶が始まり『ヘブンズゲートロワイアル』のルールが説明される。
「えー、本日はとても寒い中…もとい!最高の天候の中!
集まった13人の…」
明が見た閻魔はとても大きな四十代の立派な顎ヒゲ生やした男性で人間界での伝承とほぼ一緒なのだが、肌が白い。
そこだけが伝承と酷似している事に明は疑問を感じ得ずに得られない。
「で、あるからして、皆さん死力をつくしてもらいたい!アーサム…」
ガタガタと震える閻魔…
なるほど…。
地獄は暑いもんな!!
それなら明も納得出来る。
どうやら、伝承で顔が赤いのは、地獄がものすごく熱いからの様だ…
そんな熱い所で暮らしている閻魔にとって、天界にあるヘブンズゲートは、南極にも等しい寒さ…
かなりの厚着をしているにも関わらず、ガタガタ奮え、唇がチアノーゼで真っ青になっていた。
「で…で…でっ!?…では、ルールを説明すっする。」
「閻魔様!」
ガチガチ震え、今にも気が遠くなりそうになっている閻魔の元に一匹の青鬼が閻魔に駆け寄り膝まずく。
「これ以上はお体に触ります。ルール説明は、私がします。
ゆえ、地獄に御戻りください。」
だが、閻魔は心配そうな顔をする青鬼を、睨みつけるように言った。
「ばかもん!この閻魔をナメるな!この程度の寒さ、気合いでなんとかするわ!下がっていろ!」
最初のコメントを投稿しよう!