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まるですべてを引き裂く様な音が聞こえ、明の体に強い衝撃が走る。
それは、一瞬の出来事で当の明も何が起こったのかわからない。
ただわかるのは急に視界が回転し青空に変わった事、そしてまるで空を飛んでいる感覚だけだ。
何…?これ…
まるで虚実の世界の様な不思議な感覚だけが明を支配していく。
そして、どこからか聞こえる鈍い音と共にまるでテレビの電源を落としたかのように意識を失ってしまった。
「おい!大丈夫か!しっかりしろ!」
どこの誰かもわからない人の声に目を覚まし、起き上がろうとするも体に力が入ない。
サイレンの音が遠くに聞こえ、目の前はかすみ始め、体から流れ出る暖かいものが、次第に明の意識を奪い去っていく…
あぁ…まじ…やべぇ… 前が見え…なくなって…きた…
こりゃ終わっ…たな…
はぁ~。
僕は、冬子の所にいけるか…なぁ…
ドンドン薄れていく意識と感覚の中。
明は冬子とまた会える事を信じ、息を引き取るのであった。
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