10人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
明は天国で冬子と再会。
そこで、ずーっと一緒にいる計画を想像していた。
僕のあの怪我ですら完全に治っていたんだ。
冬子も問題なく動けるはずだよねっ。
「さぁ、僕を冬子の所に連れていってくれ。」
天使に手を差し延べ、天国へ連れていってもらおうとする明。
だが天使はその手をとらず首を振り残念そうな表情を浮かべていた。
「ノンノン。
君を連れていく事は出来ない。
なぜなら君は死ぬ運命では無かったからねっ!
それと、冬子と言う子もねっ」
はぁ…
俺と冬子が死ぬ運命ではない?
事故死の俺ならともかく病死の冬子まで?
訳のわからない話をする天使を疑い深い目で見ると天使は真実を話しはじめた。
「君も冬子って子もねっ。
こちらに引っ張られたのさ…呪術によってね…」
呪術。
それは人が用いる神に背く殺人術…
つまりはそれで殺された俺や冬子は運命に背き死んだということか…
明は怒りを現にする。
何より許せないのは、人に恨まれるような事などとは無縁そうな冬子が、呪術により死んだ事だ。
明は怒り任せに少年に問いつめだした。
「だれなんだ!そんな事したやつは!!」
いきり立つ明にこの天使はにんまりと笑い焦らすように問い返した。
「知りたいかい?知った所で復讐も何も出来ないのに?」
最初のコメントを投稿しよう!