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冬子も来る!
それだけで明に断る理由は無かった。
明は力強い目で天使に決意を示す。
「ぜひ!参加させてください!」
もはや明に迷いなどなかった。
どんなことをしてでも二人で生き返る。
それだけが明の参加理由であり、希望である。
「うん!君ならそういうと思った。
開催は今日から七日後、それまでここから自分の葬儀でも見て待つといいよ」
天使が真っ白な床をキュッキュッとハンカチで磨くとそこから下界の様子が伺える。
「じゃあ僕は、忙しい身だからそろそろ行くね!
君の参加も神様に報告しなきゃいけないし」
「あっ!待って」
背の羽を羽ばたかせ、今にも飛び立とうとする少年を明は引き止めた。
「なっなんだよ!」
ビクッと頬を引き攣らせ、少年は振り返るとそこには、明の親しみ安そうな笑顔があった。
「名前聞いてないよ。見れば天使とはわかるけど!」
明に聞かれうっかり顔をした少年は明に名を告げると頭を下げ礼に復す。
「これは、失礼。
僕は、神の左腕。天使ルシエルと申します。」
「ルシエルさんか!よろしくね!
僕は、明!あきらって呼んで」
「こちらこそよろしくっ!
明君。」
ルシファはそう言うと翼を羽ばたかせ飛んでいった。
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