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そういって、黒猫さんは布で包んだ何かを取り出して、その布を取った。
中からは、木乃伊(みいら)……だろうか。
腕の、木乃伊。見たところ肘から先、である。当然木乃伊なので干からびていて歪。所々風化のせいか、なぜかは解らないが、破けていたり、傷が見える。
そして、特筆すべきは、"指が4本しかない"ということであろう。
例えるなら人の指から人差し指だけ無くなったような形状。さらに形状のことを書くとすれば関節から関節までの長さが異常に長いこと、か。
しかし気持ちが悪い。よく出来ているからこそ気持ちが悪い。
まあ、例え本物の木乃伊でもどうでもいいが……。
……畸形の木乃伊だろうか。
しかし、対価として足り得るのか?
畸形の木乃伊だというのならば、どこぞの研究所にでも普通に置いて有りそうだし、"現象"なんてなさそうだ。
と、考えていると、薬師神が不意に言った。
「へえ。"猿の手"かい」
とんでもないこと言い出したぞ。
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