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玄関近くのユニットバスのドアを音を立てないように開ける。
電気を点ける。
お風呂のカーテンやお風呂の中に隠れてないか確認してからドアを閉める。
残るは四角となるベッド。
ユニットバスの隣に深い茶色の木製のベッドスペースがある。
そこにいるかもしれない…。
九野は思わず唾を飲み込んだ。
少しずつ前に進む。
!
(何か見えた!)
咄嗟に身を壁に隠す。
ベッドに何かいた。
そっとベッドを覗くと、素足に、長い髪、括れた腰、そのシルエットは女性だった。
その女性は壁に顔を向けていて見えないが、下は下着であることが分かる。
女性は九野に気づいていないのか、微動だにしない。
九野の頭の中は混乱していた。
なぜ、この女がいるのか。
どうやって入ったのか。
そして、どうして下は下着姿なのか。
泥棒かはわからないが、寝ているようなので少し不安が和らぐ。
九野はため息を吐くと、部屋の電気を点ける。
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