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大きなスーパーの袋を1つ、片手に持って『サミネスマンション』の階段を上がる。
コンクリート建ての俺が住むマンションは、安いマンションのため、最低限の物が備わっているだけのマンションだ。
最上階、つまり3階の奥から2番目が俺の部屋、305号室だ。
3階の廊下に足をかけ、廊下を真っ直ぐ行くと、隣の部屋、304号室のボイラーの音がしていることに気づいた。
以前から304号室は空き部屋だった。
その304号室のボイラーが動いている。
いつのまに入ったんだと思いながら鍵を出すため、ジャージのポケットをまさぐる。
鍵を開け、隣の部屋をチラッと横目に見て、部屋に入った。
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