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香「だって、百合ちゃんがこのアナスタリア教を慕える神無月学園へ転校して来たとき、何か、とっても表情が暗くて怖かったのに」
百合(それはただ単に、気が動転していたから何だけど…)
香「今では、明るくて、頑張りやの努力家で」
香が淡々と話を進めていった。
違う、私はそんな人間じゃない。
香「逃げずに、前へ進み」
違う…………!
私は…そんな大層な人間じゃない!
香「さらに、とても優し………」
百合「やめて!!!」
香「え?」
香と私しか居ない教室で叫んだ。
なにやってんだろ………わたし…。
百合「お願い……もうやめて…
私…そんな出来た人間じゃないから……ゴメンなさい……」
夕暮れ。二人しか居ない教室で、親友香にベタ褒(ほ)めされたのにもかかわらず、どなって……
サイテーな女ね…私は。
香「あの……」
百合「ほんとにゴメンなさい…」
私は駆け足で香だけを残して、逃げるように教室を後にした…沢山の雫(しずく)を溢(こぼ)して……
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