32人が本棚に入れています
本棚に追加
ママが亡くなってから、3ヶ月があっという間に過ぎた。
元々、ママは長いこと入院していたので、一人暮らしには慣れてる。
天涯孤独ってのは、なんていうか、虚しい…。
ただ、ママの意向で大学だけはちゃんと卒業しなきゃ。
「ユキナっ」
帰り道、幼なじみの陣(じん)が当たり前のように待っていた。
陣は小さいころから仲良しの男の子。
兄弟のいないあたしにとって、お兄ちゃんみたいな存在。
「いつも送ってくれてありがとね」
「別に、1人で帰るのつまんないから、ただそれだけだよ」
「たまには、女の子とデートでもすればいいのに」
あたしがそう言うと、陣はポッと頬を赤くする。
「そっ…そんな相手いねーしっ」
「えー。この前告白されてた子はどうしたのよ?」
ニヤニヤ。
「あ、あの子はその・・・」
「あたしのことばかり気遣ってくれるの嬉しいけど、陣は陣の生活あるんだから、さ」
最初のコメントを投稿しよう!