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「何?」
我ながら素っ気ない態度だなと思いつつ、訊く。
「誤解してるみたいだから、それ解きたいと思って」
「誤解?」
「圭吾が街で見たって言ってた人」
ヤンキー風の。
先日珱美から聞いた話を思い出す。そして麻紀がどんな言い訳をするか待つ事にした。
どういう話をしようが、復縁はありえないのだから。
「ああ……彼、彼氏でしょ?」
「ううん。あの一日だけ遊んで別れただけの人」
言い訳にしては、なかなかのもんだ。
「そうなんだ」
網フェンスの向こう――校外からの視線を感じながら、麻紀に笑いかける。
「……で、どうしたいの」
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