1.臨時教師

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「うーん、今レベルを上げたい教科を選べばいいんじゃない」 「そうよねー。じゃ、これにする」 そう言って、彼女は二冊を手に取った。 「結局二冊じゃん」 延々と悩む意味があったのかよ――と思いつつ苦笑いすると、麻紀は照れ臭そうに笑う。 「どっちも不安だからー…行ってくるね」 麻紀が歩いて行く。放課後まで勉強漬けは辛いので、俺は雑誌コーナーへ移動し、一冊を手に取ってぱらぱらめくる。 そういえば、明後日の日曜は珱美が買い物に行こうと言っていた。 デニムを一本新調したいらしい。 麻紀から日曜のデートとかの話が来たら、断らなきゃ……。
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