再びの夏

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「だがよ。今年で彼女にさよならすべきだと思う――お嬢さんと唯ちゃんに、よろしくな」 ハッチのやつは、愛と珱美の披露宴後に初顔合わせした唯と、二次会で妙に親しくなっていた。 車好きというツボを、唯が上手く押さえたらしい。 「次は菊じゃなくて、薔薇やカサブランカみたいな華やかなやつを買いに来い。価格三割増しで提供するぜ」 「三割って……つーか」 婚約はしたがまともな贈り物もしていない唯の誕生日に、花を贈るのもいいなと思いつつ、俺はにやりとした。 「お前はいつ結婚するのかね」 「耳が痛えな」 顔をしかめるハッチ。 「親もうるさいから、婚活もしないとヤバいけど――しばし店通いかな」
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