433人が本棚に入れています
本棚に追加
「だがよ。今年で彼女にさよならすべきだと思う――お嬢さんと唯ちゃんに、よろしくな」
ハッチのやつは、愛と珱美の披露宴後に初顔合わせした唯と、二次会で妙に親しくなっていた。
車好きというツボを、唯が上手く押さえたらしい。
「次は菊じゃなくて、薔薇やカサブランカみたいな華やかなやつを買いに来い。価格三割増しで提供するぜ」
「三割って……つーか」
婚約はしたがまともな贈り物もしていない唯の誕生日に、花を贈るのもいいなと思いつつ、俺はにやりとした。
「お前はいつ結婚するのかね」
「耳が痛えな」
顔をしかめるハッチ。
「親もうるさいから、婚活もしないとヤバいけど――しばし店通いかな」
最初のコメントを投稿しよう!