1.臨時教師

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「ごめん……じゃ、後でね」 「ああ、悪い」 麻紀が立ち去った後、珱美がぼそっと囁いた。 「なあ、あいつと付き合って楽しいか?」 「面倒」 問題を解き終えて顔を上げながら、俺はそう答えた。 「だろうな――うん、正解だ」 ノートを覗き込み、にやりとする珱美。 こいつはよく、俺を知っている。 「今日から皆さんの担任になります、朝倉です」 朝倉美優という名のその女に、クラスの皆はテンションを上げる。 160くらいか。背はさほど高くなく、ブラウスとスカートから覗く華奢な手足は白くて長い。 柔らかそうなセミロングの髪が、肩でさらりと揺れた。
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