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「ごめん……じゃ、後でね」
「ああ、悪い」
麻紀が立ち去った後、珱美がぼそっと囁いた。
「なあ、あいつと付き合って楽しいか?」
「面倒」
問題を解き終えて顔を上げながら、俺はそう答えた。
「だろうな――うん、正解だ」
ノートを覗き込み、にやりとする珱美。
こいつはよく、俺を知っている。
「今日から皆さんの担任になります、朝倉です」
朝倉美優という名のその女に、クラスの皆はテンションを上げる。
160くらいか。背はさほど高くなく、ブラウスとスカートから覗く華奢な手足は白くて長い。
柔らかそうなセミロングの髪が、肩でさらりと揺れた。
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