1.臨時教師

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「先生、幾つなんですか」 「もう聞くのー? ……二十五よ」 「見えないー」 人好きのする、爽やかな笑顔。 女子からの評価も、悪くなさそう。 「可愛いじゃん」 珱美がちらっと俺を見ながら、 「見た目細いけど、あれは結構乳でけぇぞ。圭吾、好みだろ」 「いつから俺の好みが巨乳になったんだよ」 呆れながら、朝倉に目をやる。 その時。 何気にこちらに向いた彼女と、目が合った。 まだ決まんないか。 内心そうぼやく俺に、麻紀が参考書を手にして訊く。 「私、数学と社会が弱いんだー。圭吾、どれから買ったらいいと思う?」 それを俺に決めさせるのか? 人のことにいちいち文句をつける趣味はないけど、つい、ため息が出る。
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