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「先生、幾つなんですか」
「もう聞くのー? ……二十五よ」
「見えないー」
人好きのする、爽やかな笑顔。
女子からの評価も、悪くなさそう。
「可愛いじゃん」
珱美がちらっと俺を見ながら、
「見た目細いけど、あれは結構乳でけぇぞ。圭吾、好みだろ」
「いつから俺の好みが巨乳になったんだよ」
呆れながら、朝倉に目をやる。
その時。
何気にこちらに向いた彼女と、目が合った。
まだ決まんないか。
内心そうぼやく俺に、麻紀が参考書を手にして訊く。
「私、数学と社会が弱いんだー。圭吾、どれから買ったらいいと思う?」
それを俺に決めさせるのか?
人のことにいちいち文句をつける趣味はないけど、つい、ため息が出る。
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