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更に数分後。
「ちょっと皆が見てるじゃない!早く降ろして!」
のんびりと歩み寄る男女ダイスとルナ。否、正確にはルナは“歩いていない”。重力に逆らい、まるでシャボン玉のように“浮遊”してこちらに来ているのだ。
抉られた肩部の治療を施し、発達した再生力で血は止まっているものの、完治まではもう少し時が必要だった。
その怪我人ルナの体を配慮したダイスの“チカラ”故に彼女は浮いていたのだ。
「きゃあっ!」
チカラは解かれ、無様に尻をついてしまう。その光景にエタニティ側は唖然としていた。何故ルナは浮いているんだ、そういった表情を浮かべて。
「もう!何なのよあなたのアンノウンエナジーは!!」
「説明めんど…………スペード」
アッシュの髪を掻いて、緊張感の欠片もないこの男はスペードに説明を託す。自身は大欠伸の後にコンクリートの地面に寝そべった。
「それぐらい自分で説明しろ」
と返すスペードだが、長い付き合いで無理だと悟ったのか、徐に口を開いていく。
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