遠征“D” 裏切り者は必要

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「γ部隊とδ部隊の半数がいないが…………まあいい。 サイコロの第七の目、つまり“通常ではありえない存在”がこいつ。ダイス・セブンスだ」 「賽子(さいし) (かず)が本名な。コードネームは英語にしただけ」 「こいつのアンノウンエナジーは未知だ。一定の形状を持つこともなければ、質量も何もかもが不明。まあ“超能力”の念力とでも呼んでくれ」 「それってよくテレビでエスパーが使うやつか?なら他に物を浮かせたりとか、テレパシーができたりするのか!?」 少年のように瞳を輝かせたラインが問うと、彼は小さく頷いた。 「やってみろ」 催促するスペード。話すのではなくチカラで証明しろと言われたのなら、代理が効かないためにダイスは仕方なく、 ≪ほらよ≫ と、この場全員の脳内に直接伝えた。更には寝そべったまま大地から体が離れ、縦横無尽に宙を舞う。テレパシーと浮遊のデモンストレーションであった。
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