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なんでもできる奴には敵わない
この世界は強者が弱者を虐げる世界だった。強者の権利に弱者の支配があり、弱者には何も持つことが許されなかった。
この世界で生きるには強くなくてはならず、強者の九割九分九厘が弱者への暴力に走っていた。
そしてそんな強者の目に留まってしまったのが俺と、俺の母親だった。子供の俺が強いわけがなく、女の母親が強いわけがなく、俺達親子の運命は潰えた。
「お願いです。この子だけはっ!」
母の懇願が荒廃した建物の中で響く。
「いいぜぇー。面白い。子供には一切手を出さないことに決めた。俺達から子供へは手出しをしない」
その返答には醜悪な笑みが張り付いていた。
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