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これを期に、私は死を決意しました。
昔から考えていました。しかし、いままで心の裏では灯籠への気持ちがあったものですから、なかなか自分自身を殺すことができませんでした。
しかし、つい先ほどまで私は生きていました。この時、私が自殺をしたのは、肉体的死ではありません。精神的な死を選びました。
私の考える精神的な死とは、すべてに無関心になったり、麻薬中毒者のようになることではありません。私の根本を作り上げた感情を滅し、新たに私自身を構築することでした。
私は何年もの時間を費やして、引っ越し作業を終わらせました。そして今に至ります。私は自然に笑うことも泣くこともできなくなりました。まさしく灯籠のような、感情が欠けたような人間になりました。
しかし、私は灯籠とは違い、泣くことも笑うことも、いままで失いつづけていた怒るということもできるようになりました。
しかし、それらの感情を支えるものは嘘という名の柱でした。
私は感情を意のままに扱えるようになりました。泣きたい時には泣けるように。笑わねはざならないところでは笑うように。
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