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私の友人、以下橘としましょう。
橘は女性でした、彼女とは高校時代からの付き合いで、数少ない「毒」についての理解者でした。
わたしの「毒」の理論について、なにもいわずにいつも聞いてくれました。
そして、当時の私は、今よりは感情がありましたが、いくつか欠けた感情がありました。
嫉妬心や怒りなど。そしてそのなかに恋愛感情も含まれていました。
私は、この性格上、自分より他人を優先してしまうものですから、求められると、私はその人のところへいきます。そして、その人が私ではない別のだれかを求められるようなタイミングがあったときや、わたしの力ではどうにもならなくなったとき、私はその人から離れていきました。
つまり、私に恋愛感情はなかったものの、求められたらすべて「はい」という一言を返していたのです。
橘に言ったら、最低なやつだと侮蔑されましたが、私はどんどん貶してくれと、言いました。私は私により罪を着せたかったのです。
しかし、私はそんな日々を暮らすなか、ついに恋愛感情を知りました。いや、知ったという表現はおかしいでしょう。私は恋愛感情と呼ばれているであろう感情を感じとりました。
その事は、私に大きな絶望を与えました。喜びも多少ありましたが、絶望の方が、私にとっては大きかったのです。
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