5月 感情

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僕はまだこの時、香穂が好きではなかった。 教師と生徒。 そのカベは大きかった。 給食の時間。 小学校の時、仲がよかったヤツと班が一緒だった。 そして、適当にくだらない話をしていた。 一応、話がはずんだ。 その話を少し遠くで聞いていた香穂が、笑った。 決して美人とは言えないけれど、可愛らしい笑顔。 そして、 「中原くんって面白いんだね」 僕は初めて人を好きになった。 その日から僕は、"教師"だと思っていても、 恋人になれないことを分かっていても、 メアドだって交換出来ないことを知っていても、 香穂を好きになった。
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