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最近、雨が多い。
雨だと思い出すことがある。
3年前の夏。
車の転落事故。
事故ではないけれど。
父、母、妹。
全部、なくなった。
思い出も、命も。
僕の、心も。
その事故から僕は、人というものを信じることが、出来なくなった。
「みんな、死んじゃったんだよ」
「いいかげん、現実を見なよ」
みんなに、そう言われた。
僕だけ、生き残ってしまった気持ちなんて分からないのに。
僕に、罪が与えられないのが不思議だった。
警察に行ったこともある。
「僕は、家族を殺しました」
小4だった僕は、祖母が迎えに来てくれて、何事もなかったように終わった。
雨の音がすぐ近くにまで、せまる。
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