00,プロローグ

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「あー笑った、笑った。もうお腹いっぱい」 「……???。……お粗末様」 「いや、ユッキー。日本語としたは合ってるが、そんな事を言わなくても良いんだぞ」 「……?。……わかった」 何が面白いのか、さっきより長く笑い続けるミー。 「このまま呼吸困難で倒れるんじゃないか?」と心配になるぐらい笑い続けている。 「まったく、珍しい笑い方をする奴が居るなーと思ったら、ミーじゃないか」 「よう、ケン」 僕がスッと拳をつき出し、ケンはそれに拳を合わせる。 これが僕ら2人の挨拶だ。 「どうして置いてきぼりにしたんだよ、ケン」 「いや~、スッカリ忘れてた」 ケンは頭の後ろを掻きながら特に悪そびれた感じもなく言った。 洲藤 健一(スドウ ケンイチ)。それが、ケンの本名である。 ケンの特徴は、その髪の色だ。地毛で赤色なのである。 そのせいで学校でその事を他の子に弄られた時に、そいつらをフルボッコにしちゃったという曰く付きである。 そのせいで僕ら以外の人は、ケンのことを『アカオニ』と呼んでいるらしい。 性格は至って普通の小学生だが、髪の色とその伝説のせいで僕ら以外の友達があまり居ないらしい。
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