00,プロローグ

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「泣~かした、泣~かした。ユージが泣~かした」 「何!?ユージ、女の子は泣かしちゃ駄目なんだぞ」 「……最低」 順番に、ミー、ケン、ユッキーの順に非難された。 (明らかに嘘泣きだろ。ほら、今だって笑ってるし) 手で顔を覆いながら嘘泣きしているせいか、隣にいる僕には嘘泣きとわかるが、他の3人は正面にいるためわからないらしい。 「早く謝りなよ、ユージ」 (3人からの視線が痛い……) ここは、謝るしか切り抜けられそうにはない。 「レン、ごめんなさい」 「うん、良いよ」 嘘泣きをやめて満面の笑顔で言ってくれた。 高柳 蓮(タカヤナギ レン)。僕の家のすぐ隣に住んでいる女の子で、幼馴染み。 レンの周りにはいつも人がいて、その中心でいつも笑っていて、それにつられてみんなも笑顔になる。太陽のような子だ。 「……みんな、青だよ」 ユッキーが信号を指さしながら言った。 「それじゃあ、行こっか?」 「だな」 レンのあとに続き、僕達は肩を並べて歩き出す。 僕、加藤 勇司(カトウ ユージ)はいつまでもこの5人の仲が続くと思ってた。 あの事件が起きるまでは……。
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