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～動き出した時間～

今日あたしが座った席は、右から２列目の後ろから２番目の席だった―

迷った挙句、あたしは後ろの席に座っていた人に聞いた―

『あの…もうカードって配りましたか？』

『えっ？カード…』

『　作品に貼る…』

『…まだやよ』

『ありがとうございます…』

そう言ってあたしは前を向き、紙と色鉛筆を出した―

時間も中盤に差し掛かると、みんな席を立ったりワイワイ話たりお菓子を食べながら作品を作っていく―

あたしには、何より楽しい時間だ―

先生があたしに話しかけてきた―

『田野上さん、仕事終わったの遅かったの？』

『はい…遅れて本当にすみませんでした』

『責めとるワケとちゃうの
慌てて事故にでもあったらあかんから、今度遅れそうになったら、ゆっくりでイィでね』　

『ありがとうございます』

先生はニコッと笑った―

『今日は２人、見学の方が見えとるの

あの人とあの人』

先生は遠慮がちに指を指した―

２人共２０代くらいで１人は、ぽっちゃりした男の人で、笹原さんという中年の人から、教室のことを聞いていた―

もう１人は背が高くスラッとした男の人―

あたしがカードのことを聞いた男の人だった―