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pm9時過ぎ…
あたしは、片想い中の人
幸人(ゆきひと)と電話をしていた―
『―ってぃぅかさ…俺にとって彼女って友だちの延長線なんさな!!』
『ふぅ~ん…』
あたしは泣きたい気持ちで幸人の話を聞いていた―
『―じゃあ幸人は誰でもイィの?』
『そう…やな』
幸人は、しばらく間をあけて話を続けた―
『今日遊んだ葵ちゃん、まぁまぁ可愛いし…あの子でもイィかな~』
『∑…………。』
胸が苦しくて…悲しくて仕方なかった―
『…はあかんの?』
消え入りそうな声で、あたしは聞いた―
『ん?何て?』
『誰でもイィんやったら、あたしはあかんの?』
冷たいような温かいようなモノが、頬を流れた―
涙が溢れて止まらない―
『何言っとん?』
『あたしは、本気やよ…』
『……ゴメン』
『…………』
『俺、おまえのコト“恋愛対象”としてみたことかったし…』
『…………』
『…ってぃぅか“女の子”としても意識してなかったってぃぅか』
―あたしは、全身のチカラが抜けた…
いや――
『抜けた』と言うより『チカラが入らなくなった』
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