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鍋の中身が半分くらいになった頃―
ゆま姉が口を開いた―
『香は“女のコ”やよ…』
『…………』
『幸人くんにとって違っても…ウチには、気が利いて自分のことより人のことを思いやる可愛い可愛い女のコ』
『…ゆま姉
…そんなことないよ』
涙が出そうになるのをグッと我慢した―
『そんなことある!!
ウチはな…そんな香が大好きなん♥
たまに危なっかしいけどね…』
『…………』
『電話でさ…香…泣きたいのに我慢しとったやん?
泣けばイィんやよ
今もそぅ…
泣きたかったら我慢せんと泣き…』
あたしの中で何かの“糸”が切れた―
その瞬間、蓋をして押し留めていたモノが一気に『涙』として溢れでた―
ゆま姉は黙って隣に座り、あたしの頭を撫で、背中を擦り“ポン…ポン”と心地よいリズムで叩いてくれた―
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