思い出タクシー

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ある日駅でバスを待っているとタクシー乗り場にタクシーが止まっている。 そりゃあタクシー乗り場なんだからそうだろうけど… 常識ではない文字を目の当たりにした。 代金 無料 本当に払わなくてよいのか…。周りの誰も目も向けずに通りすぎる。 とりあえず急いで家のトイレに入りたい私はタクシーへ乗り込んだ。 私が乗り込むのを確認すると タクシーは動き出した。 そのまま周りの風景が変わっていく。 何分かして気付いた。 あれ?私行き先伝えてない! 慌てて行き先を伝えようとするとどこか見覚えのある場所へ… そこでようやくタクシーの運転手が話をする。 「ここまでの代金無料だよ」 えっ!?目的地じゃない場所で降ろされんの?! 「あのっ…すみませっ…」 あれ…タクシーから降りてる。というか消えた⁉ 振り返ってもなんの形も音もしない。 仕事はやいおじちゃんや。 最初はそれぐらいしか考えてなかった。 周りの景色はいつもと大して変わらない。 少し歩いてみる。 あれっ?この建物潰れたんじゃなかったっけ… 3年前になくなったはずの建物が目の前に現れた そして新しくできたはずのコンビニがない もう一度よく周りを見渡す。 「……やっぱりない」
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