第1章

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王妃様が知らないくらいだから知らないとは思うけど。 知っててくれたら帰る方法とかわかるかもしれないんだけどなぁ…。 「初めて聞く町だなぁ…。」 黒髪の男の人は眉間にシワを寄せながら呟く。 「王妃様に言ってもわからなかったし、多分知らないと思います…。」 「王妃だ?」 「え、はい。」 「お前、王妃の知り合いか?」 王妃様という言葉を出した途端に、黒髪の男の人は声を低くし、怒っているようだった。 「マリアと王妃との関係って?」 黒髪の男の人に少し怯えていると隣からドーピーさんが優しく私に言った。 私はお城で話した内容になぜあの森にいたのか、森であった事も加え、今度はドーピーさんたちに話した。 話している途中に時々黒髪の男の人の舌打ちが聞こえたが、聞こえないフリをして私は話を進めた。  
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