初めての契約の果てに~

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「………またか。」 嘆息と共にオレは山積みになっている荷物を見た。 特別 素敵に積まれているわけではないが 不思議と中身を見てしまうのが 好奇心だ。 中身は いつもと同じ "献上品"だ。 白い箱を開けると オレの日に当たってない長髪はサラリッと垂れた。 長く鋭い爪を器用に使い、箱の包装紙を切り裂いてみた。 中には "星ノ聖話"の絵本が入っていた。 「子供か!……オレは!!」 ツッコミしてみたが、広い部屋にはオレ以外いない。 他の生命は一切存在しなかった。 「……服に……宝石?……これは金か。」 つまらないが中身を見るのが日課だ。 他にする事もないし, いつもと違う物があるのは喜びを覚える。 今日は指輪が入っていた。シルバーのゴツい指輪。 服屋の"カルヴィラ"のだ。Kのロゴが印象的でオレが 唯一好きなブランドだ。 結局、3時間弱みたあと 指輪以外は全て燃やし処分した。 「フレア!!」 簡易詠唱魔法で 火を本に点けると たちまち燃えていく"献上品"たち まぁ…これもオレが魔物だからか。
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