初めての契約の果てに~

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「ふぅん… わざわざ危険を犯してまで する話って, オレに利益になる事だろうな?? もし,ならないなら帰れよ!」 ……チビッ子のクセに 生意気なんだよ。 まあ…暇だが,どうでもいい話なんて 聞きたくない。 念押ししときゃ 二度と来ないだろ? 少女は もじもじしている ……おい………トイレか? 「あ…うぅ……。」 今度は 半泣き状態で,顔が真っ赤に染まっててる。 ………まさかオレに 告白か?! 「こんな事貴方にいうはずじゃ無いんだけど、 他に聞いてくれる人いないから……。」 「……あぁ……オレで良ければ話してくれ。」 あっちゃあ……。 あまりの いただけない空気のせいで承諾しちまった!! ハンカチも渡して 何してんだオレは!! ……でも 翠玉石色の 瞳を持つ少女の両目から, 純水が度々零れ落ちていくのを, 黙って見ていることなんて 出来ないオレ。 …ちょっと 罪悪感に近いな。 こんな状況… 別れ話 を切り出したみたいじゃん? 告白しても無いのに, 失恋した みたいな様子だ。 「…こっちに来い」 ……優しく 慰めてやるから。 少女は動こうとせず, ひたすらオレのハンカチで 号泣しているだけだ。 「しゃーねぇな……」
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