初めての契約の果てに~

8/21
前へ
/73ページ
次へ
長い沈黙が漂い緊張してきたオレ。 いや、マジで これは 告白されるだろ!! モテるなぁ~~オレ♪ 存在が罪作りだな。 少女の麗しい薄紅色の唇が ゆっくりと開き吐息と共に 本題を話す。 涙で潤んだ瞳で オレを真っ直ぐ捕らえ, オレの心臓は バクバクと早鐘を打っている。 「私……実は父様から逃げて来たの。」 ……………………はい? 父様という事は 家出少女!!?? それよりオレ……超勘違いしてたし! いやいや、だって あんな雰因気醸し出してた=(イコール)告白だろ!! 物凄く動揺してるのを 上手く隠しながら返答せねば!! 上位獣の魔物あろうオレが "勘違いバカ" なんて二つ名を付けられる前に……!! 「……虐待されてたのか?」 おい!なんて事聞いてんだオレ!? うわぁ……物凄く怪訝な顔してる……。 これは 謝る方が賢明だな。 小さな黒歴史になっちまった………精神的には大きいが。 「あ~……その……深い意味は」 「何で貴方は直ぐに分かっちゃったの??」 オレの 賢明な謝罪の言い終わらない言葉の途中で,かぶせてきた少女の 真実。 ………マジでか!わぁ~黒歴史万歳~!! 失敗したかと思ったぁああぁ。 安堵するオレを 少女は気付いてない。 -------むしろ,下唇をキュッと噛んで,不安そうに オレを見つめて瞳を揺らしていた。 「相当,落ち込んでいると見たたからだ。」 「私……父様キライ!! 最近忙しいからって話すらしてくれないし」 ぶっちゃけてる少女。 片方の頬を膨らませてるから きっと怒ってんだな…。 うん,オレ ちょい黙った方がいいな。 「私が生まれてすぐ母様は亡くなってるから ………家で私は一人孤独なの」 深呼吸する少女。 呼吸をして気分を落ち着かせてるみたいだ。 ……なんだか金魚みたいで可愛い。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加