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同胞を募ってからは彼等にも助力を乞い分轄して運営を行ったのだが、当初はたったの一人で孤軍奮闘していたのである。
ホームページの下端には一日毎の閲覧数と開設以来の総閲覧数が示されており、初め一桁で推移していた一日の閲覧数は、一月が経過した頃になると五百の大台に突破していた。
更にこの時分になると、集まった同胞の協力によってホームページは飛躍的な進化を始めた。
先ず特筆すべきはホームページのデザインが人目を惹かない慎ましやかなものから、確実に耳目を集めるであろう麗々しいものへと一変したことであり、この事実が生徒間での話題の俎上にホームページ《不満足なソクラテスであれ》が度々上がる主因となった。
また、外面的な進化だけに留まらず中身も充実しはじめ、例えば小説では戦争ファンタジーだけではなくホラーやミステリー、歴史物や愛憎劇まで幅広い種類の著作の提供が可能になり、実相に関しても意見調査から導き出された結果をよすがとして、より一般的な学校の性質を閲覧者の面前に提出できるようになった。
他にも定期的に短歌や俳句のコンテストを開催したり、小説の付加機能として読者の投票から各小説の人気不人気が順位となって表示されるようにもなった。
時に、肝心要の討議場はというと、こちらも連日、喧々囂々、熾烈な論争が展開され実に賑やかしいものだった。
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