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ズル・・・ズル・・・ズル・・・と何かを引きずる音がする。 好奇心と恐怖心でついつい見たくなってしまった私は塾の事など忘れて息を殺しながらそちらに向かって走っていった。 ズル・・・ズル・・・という音はこの暗闇に驚くほど合っていて私に恐怖を与えてくる。 やがて木々が生い茂る山の中に入っていき、そこで音は止まった。 ガサガサと掻き分ける音がしたかと思うと、再度引きずり音が聞こえてきた。 私は物影からでて音がしていたであろう場所まで移動する。 ―――誰? ビクッ!と肩が震え、息を呑む。 ―――誰? もう一度声が聞いてきた。
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