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「……………
どうしょ………
もう………
嫌だ。」
泣くのを我慢しながら電話越しで話すのは、長女だった。
『どうしたの!?』と、問いかけた私に
「今ね…玄関の前に居るんだ。殺そうと…思って…」
冷静を保つ長女の声が震え、すぐに涙声になった。
「ピンポン鳴らそうと思った。けど我慢したよ。でも、足が止まらない。止まらなくて気が付いたら奴の玄関の前に今立ってる…
どうしょ…
もう嫌だ………
奴、ポストとか見られたくないんだね。
頑丈に鍵なんて掛けてるし。」
私は『駄目だよ。』そう言った。
駄目!?
そりゃそうでしょ。
やるなら私がやる。
だから、駄目。
『駄目』だなんて言いたくない。
私も、今からそこに行く!
すぐにでも行くから!
本当は、そう言いたい。
━━妹を殺されたこの想い
娘を奪われた残酷な現実に
私達は、一生苦しむ━━
そう………22日が訪れる度に。
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