―第一章 王都エル=ハルク―

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数人の男性が手に持っている杖から光の縄を鳥へと伸ばした。 それを巧みに操り、鳥を安全に下ろせる位置へと誘導する。 そして、僕らの乗っているカプセルがゆっくりと地面に下ろされた。 鳥も羽ばたきを徐々に小さくしていき、砂ぼこりを巻き上げながら着地した。 「着いた!」 僕はカプセルの扉が開くとすぐに、広場へと飛び出した。 ずっと座っていて強張った体を伸ばす。 「疲れたー」 深呼吸をし、周りを見回す。 魔法生物達は自由に動き回っている。 鳥は飛び回り、獣は走り回り、鳴き声も沢山聞こえてなんだか騒々しい。 上から見えていたちょこまかと動き回っていた人達は、彼らが喧嘩をしないように光の縄で操っているようだ。 見ているとなかなか大変そうで、どこかに繋いでおけばいいのにと思った。 「こんなに自由に動いていて、逃げ出したり魔法生物同士がぶつかったりしないのかな」 僕はポツリと呟いた。 事故でもあったら問題だろうに。
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