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純白に輝く高き塀に、黒く威風堂々とした貫禄を見せる鉄扉。
塀とのコントラストの差が、なおさら門の重厚さを醸し出している。
そこに刻まれた剣とドラゴンを象徴する紋章。
王家の紋章が光を反射し、神々しく見えた。
何故こんなに巨大な門にしたのか謎なくらい、デカイ。
この門を通れないような生物は思い付かない。
巨人だろうがなんだろうが、なんでも通れてしまうだろう。
きっと門の前まで行って一番上を見上げたら、首が痛くなる。
昔はこういうものを巨大にすることで、自分の力を示す必要があったのかもしれないな。
そんな風に歴史について物思いに耽っていると、重い門が開き始めた。
ただ、開いたのは門の下の方に作られたもう一つの入り口。
ここは普通の人のためのサイズだ。
標準的な、大きめの屋敷や僕の住んでた城の門くらいの。
まぁ、普通に考えたらそうだよね。
あんな大きな門をいちいち開け閉めなんてしてらんないよね。
いくら魔法があるとはいえ、労力がかかるもんね。
ちょっと期待をしていたぶん、興が削がれた気がするけど……ついに王都に入るんだと思ったら、すぐにテンションはMAXになった。
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