―第一章 王都エル=ハルク―

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純白に輝く高き塀に、黒く威風堂々とした貫禄を見せる鉄扉。 塀とのコントラストの差が、なおさら門の重厚さを醸し出している。 そこに刻まれた剣とドラゴンを象徴する紋章。 王家の紋章が光を反射し、神々しく見えた。 何故こんなに巨大な門にしたのか謎なくらい、デカイ。 この門を通れないような生物は思い付かない。 巨人だろうがなんだろうが、なんでも通れてしまうだろう。 きっと門の前まで行って一番上を見上げたら、首が痛くなる。 昔はこういうものを巨大にすることで、自分の力を示す必要があったのかもしれないな。 そんな風に歴史について物思いに耽っていると、重い門が開き始めた。 ただ、開いたのは門の下の方に作られたもう一つの入り口。 ここは普通の人のためのサイズだ。 標準的な、大きめの屋敷や僕の住んでた城の門くらいの。 まぁ、普通に考えたらそうだよね。 あんな大きな門をいちいち開け閉めなんてしてらんないよね。 いくら魔法があるとはいえ、労力がかかるもんね。 ちょっと期待をしていたぶん、興が削がれた気がするけど……ついに王都に入るんだと思ったら、すぐにテンションはMAXになった。
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